2010レポート
テンカラ釣り講座
 
日本伝統のフライ技法・テンカラ釣り。参加者20名の人気講座にはテンカラ界4巨頭のうち3名を講師に迎え、NPO法人馬瀬川プロデュース運営のアカデミー講座がスタートしました。  
講師陣
実技担当 日本テンカラ界の3/4巨頭
天野勝利
(あまのかつとし)

本流テンカラ師。下呂市が誇る、鮎でも渓流でも著名な釣り師そして自然児。 下呂萩原町在住にて 釣り宿「あまの」経営
石垣尚男
(いしがきひさお)

愛知工業大学教授、
入試部長そして医学博士。 レベルラインの達人として、この技法の宣教に命を燃やす
倉上亘
(くらかみわたる)

老眼ビーズヘッド釣法を唱える異色のジャーナリスト。横浜在住

岸大助研究員

岐阜県河川 環境研究所。 北大でオショロマ(北海道の淡水魚)の 生態を研究した 俊英

10年目になるアカデミー教室で定番なのがテンカラ釣り教室。清流馬瀬川流域を舞台に、単なる釣り教室でなく、自然生態系や地域文化をとの共生を考えるナチュラリスト養成を目指します 。運営は馬瀬川を軸に地域振興に取り組む団体「NPO法人馬瀬川プロデュース」。下呂市よりの委託事業として行っています。

今回は参加者20名のほとんどがリピーターの人気講座です。日本古来のフライ技法を、それも三者三様の技術を持つプロに学べるとあって、大阪、千葉、東京からも参加者がありました。

今回のレポートで紹介しきれなかった写真をウェブアルバムにアップしました。こちらです

午前中は水辺の館前での実釣りです。ビギナーは倉上講師に丁寧な仕掛けの解説から、経験者は石垣講師(大学の先生だけあってとても指導が上手です)、それからエキスパートは天野講師に対応をしていただきました。晴天ですが前日強い雨が降り少し水が高め。エサ釣り師に場を荒らされるのを避けるため当日朝に参加者自らの放流を行いましたがアマゴの活性はいまひとつ。それでも経験者は釣れたりなんらかのアタリがあり、丁度来ていた地元新聞社の取材にも釣れたアマゴを見せることができました。

昼食は市内で釣り宿を営む天野さんのところで手配した地元食材を使った弁当、そして午は座学。岐阜県河川環境研究所からは昨年上流部で始めた人口産卵河川の取り組み。馬瀬川は自然豊かに見えますが、渓流魚特にアマゴが産卵する支流部の多くが堰堤で分断されてしまってます。今から魚道を整備するのは膨大なコストがかかり難しいですが、既存の流れをアマゴやイワナが産卵しやすい環境を整備することは取り組みやすい、と研究者は考えています。馬瀬川では昨年秋、全国で4番目となるこの実験に取り組みました。まだ結果を出すには早いですが、人口産卵河川を含め各種の方策を通じ、川により天然の、より多くの魚を増やしたいと地元漁協では考えています。なお、渓流魚を増やすための研究について、昨年解説本が出版されました。

続いては毛ばり巻き教室。テンカラ釣りは10人10色のテンカラーと呼ばれるほど人により流儀が異なります。天野さんは水中の毛ばりが引っ張る度に開いて魚にアピールする逆さ毛ばり、イージーな釣りを主張する石垣講師は52秒のスピード仕掛け、老人ビーズヘッド釣法の倉上講師は大きく重くキラキラした毛ばりを作り沈めて魚を誘うフライ(これはルアーだという悪口もある)を作ります。残った夕方までの時間は水辺の館前で続けて釣り。17時ぎりぎりまで参加者は川を離れませんでした。

釣りの後は17種のお湯が楽しめる南飛騨馬瀬川温泉に入っていただき中流部の料理旅館、丸八旅館へ。定宿、丸八旅館は女将さん自ら工夫をこらした四季折々の食材を使った料理で知られており、馬瀬にしてはめずらしく料理のみが目的で訪れる人も多いです。女将以下美人ぞろいのサービスに目を細め、料理にを楽しんだ後の釣り談義はQ&Aコーナー。

 

2日目も晴天です。場所を変えた漁協前でのアマゴの放流後は講師によるデモ。先細りのテーパーラインに逆さ毛ばりの天野講師、初心者にも飛ばしやすいレベルラインの石垣講師、レベルラインにビーズの重さでラインを飛ばして沈める倉上講師と、異なるタイプの釣法を披露します。また石垣講師はエキスパートが釣果を上げるために同じポイントでも攻め方や角度、誘い方や沈め方を変えると具体的なアドバイスをしてくれました。

デモンストレーション後は参加者それぞれ散っての釣りの1日です。やや低い水温や同時に行われた鮎の稚魚放流のせいもあるのか、昨日よりも釣果は良かったですが参加者全員が釣りあげるというところまで行かず残念でした。事務局にとっての救いは、都会からの参加者の多くが馬瀬の自然の素晴らしさだけでも来た甲斐があったと言ってくれたこと。癒し効果たっぷりの自然環境を守り、かつ渓流魚も多い馬瀬川にしていきたいものです。

馬瀬の話題ではありませんが、講師の石垣さんがアメリカで指導して始まったTENKARA USAが稼動しています。フライ一辺倒だったアメリカでの毛ばり釣りに日本古来のテンカラが広まり始めています。日本の田舎や山村文化を世界に紹介したいと私達も考えており、将来は下呂市で世界各国からの訪問者に日本の釣りを経験してもらいたい、と夢見ています。

 

2日間のプログラム
5月8日(土)・1日目
午前 実技
水辺の館前
釣り姿勢・仕掛け・キャスティング・誘い方他
(講師・天野勝利&石垣尚男・倉上亘)
水辺の館にてあまの弁当
午後 座学 @馬瀬川における 人口産卵河川の取り組み (講師・岐阜県河川環境研究所)
A毛ばり巻き教室(実技講師)
実技 実釣り
17種類の湯が楽しめる南飛騨馬瀬川温泉入浴
料理旅館・丸八旅館ホテルにて夕食
釣り談義
Q&Aコーナー
5月9日(日)・2日目
午前 実釣
馬瀬川上流漁協前
実釣り
(講師・天野勝利&石垣尚男・倉上亘)
馬瀬川上流漁協前にてあまの弁当
午後 実釣
馬瀬川上流漁協前
実釣り
(講師・天野勝利&石垣尚男・倉上亘)