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天野勝利
あまの・かつとし
馬瀬川フィッシング
アカデミー顧問
JPA日本プロ友釣り協会会長代行 |
| 益田川で産湯につかり馬瀬川に通いつめ50余年。鮎釣り以外にも渓流魚
もこなし、本流テンカラ師として知られ、メディアに数多く登場する。
シーズン中は全国の川を駆け巡る。今や下呂市の財産となった清流馬瀬
川を守る手伝いをしたい、と願っている。 馬瀬川フィッシングアカデミーは創設時より関わった。下呂市萩原町在住。 |
ずっと昔から川に関わって生きてきた。国内はもちろん、
外国にも足を伸ばす。外国の話をすると、まずニュージー
ランド。この国は自然保護や環境に対して厳しく、川には
構造物がほとんどない。日本の釣りとは違い、釣果をあげ
るより釣りを楽しむことを重要視している。エサ釣りはも
ちろん禁止で、特にオモリに鉛を使うことは、水中に重金
属を溶かすことになるので禁止されている。フライ・ルア
ーが中心となり、仕掛け作りから楽しむ。日本から持ち込
むウェーダーでさえ、植物検疫を受けてからでないと使わ
せない。これが、現在多くの観光客が訪れる自然豊かな国
のやり方。お隣の韓国にも天然鮎を求めて行ったが、河川
環境がそのまま残り自然の浄化作用が生きていて、水温は
高いが透明度がよくきれいな水である。海産遡上鮎を友釣
りで楽しむことができる。 |
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馬瀬川の話。ここ数年、特に馬瀬川に元気がないという話を聞く。昔は人も魚も自然も全国一と誇れた。馬瀬川の鮎は頭小さく幅広で、ぬめりがあり、香り高き鮎だった。今は違う。河川工事もあり人工林も増え、自然のダム湖である山も変わった。環境面では国の指導もあり各家庭の下水
処理も進んだが、昔の自然には戻らない。林道建設や、道路脇の側溝が一気に川に雨水をたれ流す。これが大水そし
て災害を招き次は工事の悪循環だ。一昨年の台風のため昨年は河川状況が悪く、今年は早く放流そして解禁したが裏
目に出た気がする。4月22日、アカデミー講座の際に数河で鮎の放流を見た。水温たったの7.5度。翌日惣島で釣っ
ていたらその鮎が既に流れて下ってきてた。この時の鮎は果たして残ったのだろうか?状況に応じた機動的な放流は
できないのだろうか?鮎の一生は一年である。いわゆる年魚なので。その分ちょっとした自然の変化にも敏感。自然河川なら自然が調整してくれるが、100%放流の馬瀬川では、人間が自然をよく観察して手を加えてあげなければならない。
馬瀬川の生き残り策について。アマゴについては、天然保護のため、全河川に成魚放流するのはやめるべきだ。馬瀬川には多くの禁猟区の支流があり、天然を育てる力がある。ゾーニング(区分分け)により天然魚が支流から下ってくる。天然のアマゴを釣りたいお客も多い。養殖でもよいという方には、西村〜岩屋ダム間に入れ、人工放流の漁場を設定したらよい。今、西村ダムの水が飛騨川へ、飛騨川の水が岩屋ダムに流れているが、川の水を入れ替えるのは生態系にとってもおかしい。馬瀬川の水は馬瀬を流れるべき。
他の河川の例を述べる。宮川を訪ねると一昨年の台風の復旧工事のすさまじさが目に付く。ダムが多すぎる。馬瀬川はまだまだ上流部に広葉樹が残っているから被害が軽微だったのではないか。また、多摩川上流の小菅川は組合が馬瀬よりもっと小さいが、河川の有効利用やキャッチ&リリース区の設定で成功している。
河川法も治水・利水から環境重視に変わった。全世界が21世紀は環境の時代と言っている。これを活かせばよい。そして馬瀬川の鮎、品のある鮎は何なのか、もう一度探ればよい。大鮎は益田川にまかせるとか。釣り人しか川に興味がないように見える今日、漁協の責任が非常に重いことを自覚して欲しい。 |